調査分析

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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 第2に、「大学への最大の進学理由」を問う設問では、図1前ページ)の質問項目に対する回答を5つの志向に分類して検証した結果、「研究志向」が29大学で10%以上増加、8大学で10%以上減少した。対して「実学志向」では、8大学で10%以上増加、31大学で10%以上減少している(図2)。複数回答(図1前ページ)の結果と併せて考えると、教養を含め、学問知識を広く修得したい意欲は高まっている。就職との関連による進学価値の捉え方は弱まってはいないものの、全国的に最大の進学理由とはなっていないようだ(図3)。昨年来の景気回復・就職状況の好転も背景にあるだろう。ベネッセ教育研究開発センターが実施した調査でも、高校生の学校外学習時間は下げ止まっており、大学選択に際しても学習への回帰意識がうかがえる。

図表

図表

 第3に、最も多く抱いた入学時の期待に対する質問では、特定の専門的な分野や先端的な研究に携わることに対する期待が前年比で10%以上増加した国公立大学はなかった。首都圏私立大学を中心に特定の専門分野で6校、先端的研究で4校のポイントが前年比10%以上増えているのに比べ、国公立大学では研究に携われる期待値が伸びていない。これは、国公立大学の研究情報の提供や研究内容を分かりやすく伝える方策が、高校生の期待に応えていないのかもしれない。なお現在最も高く評価されている内容として、国立大学で特定の専門的分野、先端的研究でそれぞれ1校が前年比10%以上増加している点は付記する必要がある。


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