企画1

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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教養教育の改善における重要なファクターとは

 専任教員が1人もいない機構が、4年余りの間に100を超える様々な改善に取り組み、学内でも高く評価されている要因は、当機構の事務組織「共通教育推進課」の存在である。
 共通教育推進課は、課長以下32人の事務職員で組織され、全学共通教育に関わる課題の抽出、改善案の作成、予算獲得、データ管理・分析、関係部局・教職員との調整、具体の実施など、教育改善の取り組みのすべてにわたって重要な役割を果たしている。また、学習環境の整備・維持管理、KULASISの開発と運用、ガイダンス、ワークショップや全学教育シンポジウムなどの事業実施、各種報告書の作成支援、広報誌の発行、ウェブサイトの管理、履修者8800人・担当教員約1600人への対応など機構の基幹部分を支えている。共通教育推進課が実質的に京都大学の教養教育の改革を先導しているといっても過言ではない。
 このことから、機構や教育センターなどといった箱物(組織の形態)は教育改善の重要なファクターではなく、中心となる教員のリーダーシップと優秀な事務スタッフの育成が重要であり、そこに基盤的な予算を加味すれば事が成るということを、京都大学の全学共通教育のフィールドからうかがい知ることができるといえる。

図表


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