特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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酪農学園大学

酪豚(らくとん・酪農学園大学豚)の生産・販売

学生が自主研究で安心・安全・おいしさを追求した豚を育て
大学ブランドとして販売

酪農学園大学の「家畜センター」と学生サークル「中小家畜研究会」は
奄美大島の島豚を品種改良し、「酪豚」という新ブランドを誕生させた。
「学生が育てている」という研究の実績が
消費者の食への安心感や安全性への信頼につながり、
徐々に酪農学園大学のブランドとして浸透している。
その成功は学生の研究意欲を高めるとともに、新たな活動につながっている。

学生の研究から生まれた豚の新ブランド

 「酪農学園大学豚」――通称「酪豚」は、酪農学園大学酪農学部酪農学科の付属施設である「家畜センター」と学生サークル「中小家畜研究会」が品種改良を重ねて誕生させた新ブランドの豚である。精肉、ハム・ソーセージなどの加工品、総菜の原料として商品化。インターネットショップや札幌市内のスーパーで販売されているほか、飲食店の看板メニューにも使われている。
 酪豚を飼育するのは、中小家畜研究会の学生約20人。同研究会は学生の自主的な研究活動を目的として1999年に発足した。正課では酪農研究が中心であるのに対し、同研究会では豚、羊、山羊、鶏を飼育・研究している。メンバーが5人1組のグループに分かれて、1グループが1週間、朝晩の給餌と掃除を担当。土・日・祝日はもちろん、雨の日も雪の日も休みなく家畜の世話をする。
 同研究会で飼養管理と学生の指導を担当する家畜センターの上野光敏主任技師は、研究会の意義を次のように話す。
 「授業では継続して動物の世話をする機会がほとんどないが、研究会では毎日、家畜の世話をする。しかも、愛情を込めて苦労して育てた家畜が、出荷され食肉となる現実を目の当たりにする。単に動物好きというだけでは、研究会の活動は続けられない。家畜業の厳しさを、身をもって体験する場になっている」
 酪豚は、学生が自ら生み出し育てている、学生発の大学ブランドなのである。

写真
「酪農学園大学豚」のロゴが張られた商品。学内の生協での販売を検討している


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