「教育マネジメントサイクル」の本格実施を控えた2005年１月、中央教育審議会の「我が国の高等教育の将来像（答申）」が公表され、３つのポリシーを明確化し、教育改善に結び付けることが提唱された。これを受けて、ＦＤ推進委員会では、教育マネジメントサイクルに３つのポリシーを組み合わせることが、より効果的な教育改善の実現につながると考えた。
　教育マネジメントサイクルは、その中心にある教育目標を達成するための仕組みだ。そこに入学から卒業までの時間の流れに応じた３つのポリシーが与えられることにより、それぞれのサイクルにおける改善の方向性や意味付けが、より明確になってくる（下図参照）。

　そこで、同委員会は各学部にそれぞれのポリシーの明示を要求。全学部（学部によっては学科単位）が３つのポリシーを明らかにし、教育マネジメントサイクルを実施する体制が出来上がった。
　今野教務部長は「成功の要因の一つは、３つのポリシーをきちんと理解してもらえるよう、各学部長から教授会に対して十分な説明が行われたこと」と話す。
　こうしたＦＤ活動の結果について、同委員会は毎年の活動報告と次年度の活動計画を学内外に公表している。2007年には「第１回教育マネジメントサイクル活動報告会」を開催し、その成果についての検証も行った。今後は、入試説明会や毎年６月頃に行われる在学生の保護者への説明会などでも、３つのポリシーの周知徹底を図っていく予定だ。