2003年には、（社）日本能率協会の協力により、各評価項目の指標をデータベース化したシステム「関西学院評価指標データベース」を構築した。このシステムでは、各評価項目がどのような指標に基づいて評価され、その指標がどのような経年変化をたどっているかが一目で分かる。例えば、評価項目「大学・学部、大学院研究科の理念・目的・教育目標とそれに伴う人材育成等の目的の適切性」を測る指標の一つに、「全体の就職決定率」が設定されている。システムを利用すれば、2002年度以降の就職決定率の変化だけでなく、男女別、学部別などの項目別に就職決定率の変化を見ることができる。
　指標には、認証評価で提出が義務付けられている大学基礎データ（48項目）とともに、独自に設定した指標データ（41項目）が用いられている。独自データはあらためて調査したものではなく、それまでに実施した卒業生調査や学生の意識調査などを活用する。こうしたデータは、全学的に共有されず、研究所などが個別に管理していたものが少なくなかったという。
　評価体制も抜本的に改革した。自己点検・評価にかかわる組織は、各学部・部局の自己評価委員会を束ねた大学自己評価委員会だったが、その上位に院長直属の「関西学院評価推進委員会」を設置。その中に、学外委員数人を含む約10人から成る「評価専門委員会」を設け、第三者が自己点検・評価の結果や進捗状況報告書を評価して改善を提案するプロセスを加えた。学内委員には、（財）大学基準協会などで他大学の評価に携わった経験のある教員を任命し、客観性を確保。ＣｈｅｃｋとＡｃｔｉｏｎを強化した。
　自己点検・評価の実施者についても見直した。それまでは各学部の自己評価委員会が自己点検・評価を実施し、学部教育の計画を立てる執行部に改善策を伝えていた。そのため、自己評価委員会と執行部の連携がスムーズに行われていない場合、改善策が次年度の計画に十分に反映されないことがあった。そこで、執行部も一緒に実施する体制に改めたという。
　こうして、2007年度に新たな形式での自己点検・評価を実施した。