競合企業が連携して 経済界の発展に寄与
2002年、経済団体連合会と日本経営者団体連盟が統合して発足した（社）日本経済団体連合会（以下、経団連）。2008年６月現在、1324の企業、130の業種別全国団体、47の地方別経済団体から成る経済界の代表的な組織だ。企業間連携により、各企業の利益のためだけでなく、地域や国民の生活に貢献し、社会全体の発展に寄与せんとしている。
現在の社会では、企業活動と教育や社会保障制度などの社会的課題との間には密接な関連がある。そのため、経団連では、経済・産業政策だけでなく、政治、教育、環境といったさまざまな社会的課題に関して、経済界として意見を一本化、提言を行う。
それぞれの企業は、「競争」による生き残りにも力を注ぎつつ、「協同」によって経済社会全体の発展をめざしている。社会第一本部人材育成グループ長の篠崎充氏は、「企業は社員を働かせ給料を支払うだけでなく、社員を教育し、株主に利益を提供する。そして、社会にとって有用なモノやサービスを提供することによって、社会での存在を許される。そのために、常に自身の事業を見直している。ニーズや将来性があるところに投資し、不要と判断した事業は切り捨てる｣と言う。さらに「これは、教育界で言えば、大学間の戦略的な連携・提携や学部・学科・講座の譲渡や譲受に当たり、時代が求めているのではないか」と述べる。
経団連は、教育界には「多様性・競争・評価」が重要であると主張してきた。大学間連携は、これらを実現するための手法の一つだ。連携が進めば、「自分の大学に残すべきものは何か」を見極める必要が出てくる。それが、結果的に、大学に個性や特色をもたらすことにつながるのではないか、と経団連は考えている。
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