リーダーズマインド

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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女性技術者としてのキャリアプランを支援

片岡 2007年度に文部科学省の学生支援GPに選定された「技術系女子学生の継続的なキャリアデザイン」に代表されるように、女性技術者の育成にも力を入れています。

茂里 安全、環境、デザインなどの分野では、女性の視点による技術開発が求められています。
 しかし、本学のような技術系大学の女子学生の割合はわずかです。しかも、卒業後の就職も厳しいのが現実です。そこで、2007年1月に「女子学生キャリアデザインセンター」を開設し、結婚・出産・育児などの人生設計を含むキャリアプランを支援しています。企業にも積極的に働き掛け、女性技術者を受け入れる環境整備に取り組んでいます。
 さらに、文部科学省の「女子中高生の理系進路選択支援事業」として、出張講義と来校型講座も開いています。単に理工系の魅力を伝えるだけでなく、本学の女子学生の動向を伝え、自分の将来をイメージできるようにしています。 

片岡  「教育改革18」や女子学生のキャリア支援など、技術者育成の姿勢を鮮明に打ち出しています。

茂里 本学は地域の企業に多くの優秀な技術者を送り出してきたという自負があります。学生の募集環境は、少子化、理工系離れという厳しい状況にありますが、今後も技術系分野での教育を堅持し、地域にあって存在感のある技術系大学であり続けます。また、「教育改革18」の点検・評価を繰り返して教育をいっそう充実させ、地域社会に貢献する大学であり続けたいと考えます。

片岡 技術者育成に対する力強い意欲が感じられるお話をうかがうことができました。ありがとうございました。

「海と連なる森のキャンパス」2008年12月新講義棟完成
 広島工業大学五日市キャンパスに、2008年12月、地上10階建ての新講義棟が完成した。「教育改革18」に掲げる多様な学びへの対応を支える器として、600人収容可能な大講義室から少人数のゼミ用教室まで、さまざまな広さの教室を備える。教室にはCADやパソコンなどの設備も備え、教員の工夫によって多様に活用できるようにした。

 茂里学長は、「本学には古い建物が多く、教室の広さも一律で、多様な教育に対応しにくかった。改革を進める上で、学習環境の整備は欠かせない」と話す。

 3階には教育学習支援センターや自習図書室「ラーニングコモンズ」を設け、5階から10階までの各フロアにはラウンジとテラスを設置。新講義棟の周囲には、キャンパスのシンボルであるツツジの植栽帯を生かした広場や中庭も整備した。教員や学生が自由に集まるスペースを多く設けたのは、交流によって情報や知識との出合いを生み出し、教育の活性化につなげたいという期待があるからだ。
図
新講義棟(完成予想図)。
吹き抜けや外壁窓を設け、環境に配慮した構造になっている。
 キャンパスの南側からは瀬戸内海が一望できる。北には中国山地の山々が連なり、その間に校舎が点在する。まさに「海と連なる森のキャンパス」といえる。豊かな自然環境を生かし、新しいキャンパスが誕生した。

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