もともと創価大学では、先輩が後輩に学習面でアドバイスをするといった、学生同士が学び合う場面がよく見られたという。経済学部の小林孝次教授は、「ＳＡがうまく機能しているのも、そうした学風が土台にあるからだろう」と話す。
　学生同士の交流によって、後輩が先輩から受ける影響は大きい。
　長谷部学部長は、「一般に、大学の教員は、学生が授業を理解しているかどうかに頓着せず、授業を進めてしまう場合が多い。授業についていけない学生の気持ちが分からない場合もある。しかし、学生同士なら、自分がかつて経験したことであり、後輩の気持ちに寄り添って親身に対応できる」と話す。
　同じことを注意されるにしても、教員に言われるよりも、学生同士の方がショックが少ない。アドバイスをくれた先輩のようになりたいとあこがれを抱き、学習に対する意欲を高める学生も少なくない。
　教員にとっても、ＳＡが間に入ることによって大きな安心感を得られるという。
　ホンマ教授は、「2003年度に基礎演習（初年次教育）が導入される直前まで、教員は少人数の１年生を指導することに戸惑っていた。しかし、気心の知れたゼミ生をＳＡにすると、１年生とのコミュニケーションもスムーズに行えるようになった」と評価する。
　だが、いくら学生同士の交流の場を提供しても、その場を利用する学生が少なければ意味がない。今後の課題は、「ＦＥＥＬ」に顔を出さない学生やＩＰ履修者以外の学生が交流する機会を、どのように確保するか。学生同士の学び合いの輪をさらに広げ、教育活動を活性化していきたい考えだ。