東京学芸大学のＳＡの活動分野は多様だ。情報処理の授業などをサポートする情報アシスタント、聴覚障害者の学生のために講義内容を記録するノートテーカー、留学生に対するチューター業務、付属図書館の時間外業務などがある。2008年度は、約200人の学部生・院生がＳＡに登録し、活動している。
このような活動に、2009年度には新たに教職特待生制度の支援対象者が加わる。この制度は将来、教員になるという強い意志があり、家庭の年収がおおむね300万円以下の応募者に対して面接などを行い、約10人を選定して修学支援を行うというもの。主な支援内容には、（１）入学料と授業料の全額免除、（２）教職奨学金を年４０万円貸与（卒業後、教職に就いた場合は返還を免除）、（３）学生寮への優先入寮と寄宿料免除、（４）同大学で必携のノートパソコンの無償貸与、などがあり、４年間の支援総額は１人当たり約500万円にも上る。
注目したいのは、支援内容の一つに「学内ＳＡ等として採用」を盛り込んだことだ。特待生本人が希望すれば、優先的にＳＡに採用される。村松泰子副学長は、「学生アンケートによると本学の７割以上の学生がアルバイトをしている。同じ働くにしても、将来、教職に役立つ実践的な経験を積めるＳＡなら、大きなプラスになると考えた」と説明する。
ＳＡが教職特待生であることを明らかにするかどうかは、プライバシーの問題にかかわるため、姿勢は慎重だ。ただ、入学当初から意欲の高い学生がＳＡに加われば学内の活性化につながると、大学側は期待する。
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