大学が学生キャンパス副学長に期待するのは、授業や施設の改善、大学ブランドグッズの企画・開発、学内ベンチャーの支援、高校生との交流など、幅広い活動だ。ただし、基本的には一人ひとりがテーマを定め、個別に活動する。
　活動の提案や報告は、学生キャンパス副学長４人が集まる週１回の会議と、職員４人が加わる月２回の会議で行う。活動状況は学生キャンパス副学長のブログにより報告。ウェブサイトのトップページにブログへのリンクを張り、学外への情報発信にも役立てている。
　2008年度は任期が約半年と短いため、４人共同で活動する。その内容は、一般の学生が大学に対して抱く期待や不満を把握するため、改善案を募集するというもの。学生全体へのSCP制度の周知も兼ねる。学内に設置した意見箱やウェブサイト上で意見を募ったところ、1週間で200件以上が寄せられた。今後、意見を整理・分析し、その結果を学生に報告するとともに、大学に対しては改善案を提案する予定だという。
　高見課長は、「対応が可能な提案に関しては、いつまでに何をするかを学生に伝える。対応が不可能な場合も、その理由を明確に説明する。学生の意見を尊重する姿勢を示し、信頼関係を築いていきたい」と話す。

　2009年度以降は、個別の活動に加え、４人の共同プロジェクトによるオープンキャンパスの運営を検討している。これまでのオープンキャンパスでは、学生の参加が高校生との懇談会など、ごく一部に限られていた。そこで、学生キャンパス副学長主催のオープンキャンパスを別日程で設定するなど、教職員とは異なる発想の企画を検討中だ。高校生に対し、学生が体験談を交えたアドバイスをし、大学の魅力を効果的にアピールするねらいがある。
　そのほか、北海道医療大学は医療系の国家試験対策の一環として、学習に役立つ携帯電話サイトを2007年度に試験的に開設した。しかし、周知が進まず、学生の利用率は低い。今後、学生キャンパス副学長は、周知方法の企画やモニターとしての改善策の提案など、利用者の視点から関与していく。