SCP制度の特徴は、学生キャンパス副学長が自由に活動できることだ。活動費は事例視察の交通費や備品の購入費などに充てられると想定しているが、原則として本人の判断に委ねられる。組織や規定は最低限必要なものだけとした。例えば、学生キャンパス副学長にサポートスタッフをあえて付けないのは、本人が必要に応じて自主的に集めるだろうという判断からだ。実際、友人に声を掛けるなどして、活動の輪が徐々に広がっている。
廣重力理事長が学長在任中の2004年に掲げた「新医療人育成のための北の拠点」という理念には、国家試験の合格率を高めるなどの数値で測れる部分だけではなく、「優れた人間性を備える医療人を育てたい」という思いが込められている。この理念の実現に向け、最も力を注ぐ要素の一つが教育力の向上だ。この点でもSCP制度に寄せる期待は大きい。
「高校生に高い志を持って入学してもらうために、学生キャンパス副学長の発想を取り入れて学生のニーズと一致する教育により近づけたい。SCP制度は、本学が『選ばれる大学』に成長していく上での起点になる」と、高見課長は期待を込める。1年目の今は試行的な段階だが、次年度以降、活動のさらなる進展が、大学改革にどのような成果をもたらすかが注目される。
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