ＥＡＰの修了要件はＴＯＥＦＬ500点で、ほとんどの学生は半期で修了してＢＥに進む。熊谷氏は、「ヨーロッパで発達したリベラルアーツ的な科目がＢＥに集約されている。学生は、国や社会を超えて、人類が集積してきた普遍知的なものを学ぶ」と説明する。
　ＢＥのカリキュラムは「英語基礎」「社会科学」「芸術・人文科学」「数学・自然科学」「学際研究」「世界の言語と言語学」「保健体育」「コンピューター、キャリア、留学」「日本研究」の９領域からなる。すべての授業は、国際教養大学が掲げるリベラルアーツの５つの要素である（１）人文学的視点、（２）社会科学的視点、（３）経験的方法、（４）量的論証、（５）批評的思考方法、を意識して組み立てられる。課程の代表は教員から出されるシラバスを見て、これら５要素が反映されているかチェックする。
　こうしたリベラルアーツ的な幅広い学びは、学生の興味・関心を大きく変えている。オフィスアワーでは、その教員の授業と、他の分野の授業との関連性について質問する学生が多いという。ＢＥが学問横断的な知の構築を促しているわけだ。
　熊谷氏は、「ＢＥの教育プログラムが、学生の連鎖的な学習効果を非常に高めている。とてもエキサイティングで、教員の質の向上にもつながっている」と語る。