リーダーズマインド

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 3/3 前ページ 

大学院との接続も検討すべき課題

安永 新基本構想の本格始動は、どこから着手されますか。

杉原 「垣根なき学びと探究の共同体」をどのように実現するのか、その方向性を示すことが喫緊の課題です。幅広い教養を身に付けさせるための共通教育はどうあるべきか、本学の強みである語学系科目をどう位置付けるか、共通科目と専門科目をどうつなげるか。カリキュラムを一つひとつ見直し、考えていきます。
 今後は、学士課程教育の見直しとともに、大学院との接続も考えねばなりません。と言っても、必ずしも学士課程修了後すぐに、進学すべきだということではありません。社会に出た後、必要なときに帰って学べる環境を整えることが必要だと考えています。

安永 生涯学習も視野に入れるということですか。

杉原 私は学長に就任する直前まで、現役の社会人も多く学ぶビジネススクールで統計学を教えていました。いろいろな分野の人が、実社会で必要な生きた学問を求めていることに、とても刺激を受けました。同時に、社会と大学の間の垣根を取り払うことの大切さも感じました。
 関学は卒業生にとって「母校」であると同時に、いつでも帰れる「母港」でありたいと思います。本学には“Mastery for Service”というスクールモットーがあります。ベーツが提唱した言葉で、「奉仕のための練達」と訳していて、隣人や社会、世界に奉仕するために自らを鍛えるという考え方です。
 社会に出た後も、ステップアップのために、隣接する分野の知識の修得やより高度なスキルが必要になることがあるでしょう。そういう節目に「母港」に戻って練達を重ね、再び社会に奉仕する。そうした学び方を支援できればいいと思います。

安永 新しい関学の姿を楽しみにしています。ありがとうございました。

写真


  PAGE 3/3 前ページ 
目次へもどる
大学・短大向けトップへ