初年次教育を実施する大学は、文部科学省の2006年度調査によると、71%に上る。中身や定着度についてのばらつきはまだまだ大きいが、初年次教育自体は市民権を得た教育プログラムになってきた。これから導入しようとする大学もあれば、導入したもののうまくいかないという声も聞く。
こうした状況に対応するために、2008年3月には「初年次教育学会」が設立された。1年足らずで個人会員287人、機関会員62大学、賛助会員7人(団体)が入会。予想以上に多い参加者の数は、何をどう始めていいのかよくわからない、といった反応を示していることは間違いない。
初年次教育とはどのような教育プログラムなのかということ自体も、正確にはわからないという大学関係者も少なくない。第1回では、まず、初年次教育と隣接プログラムを見ながら、簡単に概念の整理をしていく。
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