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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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全国6か所の拠点で 地域同窓会との関係強化

 2008年度、日本福祉大学は、健康科学部・子ども発達学部・国際福祉開発学部を開設して6学部9学科となり、「ふくしの総合大学」の体制を強化。これに合わせて、卒業生との関係基盤をさらに固めようとしている。
 従来は学生・教職員限定だった学内SNS「fuxi(フクシィ)」を卒業生に開放したのも、卒業生と学生や教職員、また卒業生同士の新たな交流を生み出すのがねらいだ。現在、2008年度卒業生のうち1000人が会員登録し、それ以前の卒業生の参加も進んでいる。
 早速、卒業生による地域や職種ごとのコミュニティーが開設され、学生との交流につながっている。目的意識や問題意識の強い学生、卒業生が多い「福祉」を専門分野とし、情報交換を求めてネットワーク化が進むことが、日本福祉大学の強みといえるだろう。
 2009年には、全国6か所に地域ブロックセンターを設け、職員を常駐させた。地域同窓会との関係強化のための拠点としても活用する。卒業生との連携、相互支援に加え、自治体やNPO法人などとの連携を通じて、地域の福祉向上に取り組む考えだ。

卒業生インタビュー


写真 大学の最も身近な支援者でありたい


 日本福祉大学 教育文化事業室 同窓会常任理事

 水野孝安さん


 卒業生として、大学にとって最も身近な支援者でありたいと考えています。多くの卒業生と話す中でよく耳にするのが、「大学に恩返しをしたい」という言葉です。私自身、学内学会や就職活動など、いろいろなつながりを通して卒業生にお世話になったという思いから、後輩や大学を支援したいという気持ちが生まれました。大学がセミナー開催など卒業生のキャリアアップを支援し続けていることも、心強く感じます。
 日本福祉大学の同窓会員の結束が強いのは、同窓会組織が都道府県や地域単位で数多くつくられていることもあります。58の地域同窓会が設けられて頻繁な交流活動が行われているほか、会員10人以上といった条件を満たせば、ゼミやサークルの集まりが大学同窓会の認定団体となり、同窓会開催時に2万円の援助金が給付されます。
 地域ブロックセンターという拠点ができたことによって、さらに活発に活動ができるようになりました。大学から同窓会への職員の派遣も、卒業生と大学とのつながりを強めることにつながっています。
 大学と卒業生の間に良い意味での「持ちつ持たれつ」の関係が築かれていると感じます。


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