特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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教育や大学生活の 満足度が帰属意識に影響

 近年、若い卒業生の同窓会活動への参加が、従来以上に活発化している。要因の一つとして、部会制の導入がある。事業部で大学グッズの企画に取り組む、組織部で人と人とを結ぶパイプ役をこなすなど、一人ひとりが同窓会でできることが明確になり、参加しやすくなった。広報部では、現職編集者が学生ボランティアも巻き込んで同窓会会報を作製している。卒業生は、サークルに参加するような気軽さで得意分野や興味のある分野にかかわる。
 同窓会活動に積極的に取り組む理由について、神内会長は、「同窓会の先輩たちが、ICUで受けた教育を誇りに思いながら、社会のさまざまな分野で活躍し、再び大学に戻って活動する姿はとても輝いている。私自身、先輩からたくさんのエネルギーをもらっているので、先輩の思いを受け継いでいきたい」と語る。
 森山副会長は、「学生時代、講義のほかサークル3つの掛け持ちで、毎日、朝から夜までキャンパスで過ごし、大学生活を満喫した。後輩にも、ICUの環境をフルに活用して大学生活を楽しんでほしいので、環境づくりを支援している」と話す。
 2008年に大学が行った卒業生へのアンケートでも、「自分の人生に大きな影響を与えた重要な4年間であった」という設問に対しては、ほとんどの卒業生が「そう思う」と答えた。また、「それは主にどの面においてそのように感じましたか?」という問いに対しては、「学問」「学生生活・友人とのふれあい」と答える卒業生が多かった。教育や大学生活の満足度が、母校への帰属意識につながっている。

学生インタビュー


コンペを通して卒業生が身近な存在に


 教養学部 社会科学科4年

 光永麻希さん


 2009年度のICUドリームコンペで、私が所属する和太鼓部の創立20周年の記念公演が大賞に選ばれました。和太鼓部の演奏は、ほとんどが部員による創作曲です。構想から演奏までのすべてのプロセスで、個を尊重し、調和する精神が生かされている点が、ICUの教育方針と合致することをアピールしました。
 記念公演にはOB・OGも参加するので、そのネットワークを生かして広報活動を行い、より広く同窓会の名前を発信できることも伝えました。
 卒業生や同窓会は、大学のために活動していると思っていたのですが、ICUドリームコンペに参加したことにより、「学生のために、そしてそれが大学のために」という思いで活動しているのだという印象に変わりました。
 ICUの卒業生は、いろいろな物事や意見をすんなり受け入れられる方が多いと思います。また、ICUで学んだことに誇りを持っていて、学生のころに得た経験や受けた恩恵を、今の学生にも味わってもらいたいという気持ちを強く持っていると感じました。以前に比べて、卒業生や同窓会がもっと身近な存在になりました。


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