素点による平均点とGPAとで、成績順位の逆転現象が生じる可能性がある。愛媛大学においてシミュレーションを行った際には、このようなケースが多々見られた。
例えば、各2単位の3科目で算出するとして、A君の素点は79点、79点、79点で合計237点の場合、GPAは(2点+2点+2点)×2単位÷(2単位×3科目)=2.0となる。B君は90点、70点、60点で合計220点、GPAは(4点+2点+1点)×2単位÷(2単位×3科目)≒2.3となる。素点の平均はA君79点、B君73.3点なので、逆転が起きている。
これを防ぐために、functional GPAという算出方法がある。この方法だと素点からGPAを算出するため、素点順位とGPA順位の逆転をほとんどなくすことが可能で、愛媛大学でのシミュレーションでも逆転現象は見られなかった。このようにfunctional GPAは活用価値があるのだが、残念ながら国際基準に合わせる場合は換算が必要であり、学内での成績評価において有効といえる。
このように、わが国でのGPAの本格的導入や信用できる数値としての公での利用には、まだまだ乗り越えなくてはならないハードルが多いといえる。 |