委員会代表を務める富山大学の山西潤一教授は、「7つの高等教育機関を合わせれば、大半の受験生が希望する学びの領域をカバーできる。それが知られていないことが、県外流出の一因と考えた」と話す。
高校生に対する「富山県が好きか」という質問では、「好き」「どちらかというと好き」の合計が85.5%。「将来も富山県に住みたいか」では、「ずっと住みたい」「一度県外に出ても、富山に戻って住みたい」が62.9%に上り、県内にとどまりたいという意向が強いこともわかった。
これらの結果をふまえ、情報発信の方法を見直した。これまでも各校が大学案内などを通じて教育内容を説明していたが、「高校生が自分の人生に結びつけて考えにくい」と分析。就きたい職業から県内の高等教育機関の学部・学科を検索できるウェブサイトを構築した。検索結果からリンクをたどり、各校のウェブサイトにアクセスできる。
高等教育機関の窓口を一本化すれば、県内でも多彩な教育が受けられることをアピールできる。「知名度や人気を求めて県外に進学する高校生も多い。教育内容に目を向けさせて大学選びの視点を変えたい」と、山西教授は説明する。
大学教員による出前授業や高校生を招いての大学見学で伝える情報も、調査結果をふまえて検討中だ。
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