大学ブランディング成功への道

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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多様なネットワークは大学独自の強み

 企業のブランディングのあるべき形を、大学にあてはめてみよう。
 大学のブランディングは、日本の大手企業(製造業が多い)を手本にすることが多かったのではないか。しかも、ヒトづくりの段階をおろそかにして、いきなり認知やイメージづくりに頼る大学が多い。建学の精神に基づくヒトづくりを重視する大学も増えてはいるが、企業と違い、教員や学生が学外の組織、活動との間で盛んに行き来する大学という組織の場合、ヒトづくりの方法にも独自の発想・手法が必要になるだろう。
 外との行き来は学外を巻き込む集まりづくりにつながる。「集まりとその旗印であるブランドをマネジメントするブランディング」こそ、まさに、これからの大学の価値づくりの鍵を握る発想・手法なのである。
 近年、産学連携や他大学とのコンソーシアムなど、多様なネットワークを築いていることは、大学独自のアドバンテージといえる。これを生かせば、企業の発想・手法を超えた新しい価値創造ができるし、またそれをめざすべきである。それこそが、日本の成長をリードするセクターとして、大学が自分たちの役割を積極的に認識することにもつながる。


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