特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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入学前に、CPの理解とDPへの接続を促進

  長崎大学の一部の学部では、AO入学者のみ受講できる特別な講義がある。こうしたプレミアの付与もAO入試の重要なポイントとなる。
  2011年度からは、AO入学者対象の入学前教育「ヴァーチャル長崎大学(仮称)」を実施する。基礎学力の担保に重点を置く従来の入学前教育と異なり、「高校での勉強から大学での研究への転換」を合言葉に、高校では少ない理系科目の実験講義や論文作成技法の講義を行う。
  この入学前教育では、教員や学生が研究や学生生活の魅力を語ったり、教員がカリキュラム・ポリシー(CP)について解説したりする。より具体的な大学生活のイメージと目的意識を持てるよう、効果的なガイダンスを実施する。そのような準備を経ることにより最大限の教育効果を上げ、本学の特徴を十二分に備えた「長崎大学ブランド」の卒業生として社会に巣立たせたい。
  こうした教育活動とのセットで信頼性の高い選考方法を設計することによって、AP、CP、DPの3つの方針が結合する。長崎大学のAO入試は、まさにそれをめざしている。
  このような取り組みによって、進路指導における一般入試 > 推薦入試 > AO入試の構図を打ち崩すことができるのではないだろうか。その結果として高校側から積極的に選ばれるようなAO入試こそが、一つの近未来像ともいうべき「相互選択の時代のAO入試」だと考えている。


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