特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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在学生が果たすロールモデルの役割

 学びに向かう意欲を高めるため、入学前教育にも力を入れる。全入学者を対象に実施する入学前教育の内容は、以下のとおりだ。基本的に3回に分けて実施する。

  1. 集合セミナー(1月)
    大学生活の紹介、新入生同士の交流を目的としたグループワーク。
  2. キャリア・カウンセリング(2月)
    専門のカウンセラーが個別に実施。
  3. プレオリエンテーション(3月)
    カリキュラムや時間割作成について指導し、理解を促す。
写真
入学前教育の様子。在学生が科目履修についてアドバイスする。

 推薦・AO入試は9〜12月に合否が決定する。住吉副学長は「合格から入学までの3か月以上の期間を使って、モチベーションを維持・向上させるしくみを考えた」と言う。
  特色の一つは、キャリア・カウンセリングを取り入れていることだ。個別に実施され、所要時間は約40分。「高校までにどんな経験をしてきたのか」「それを大学や社会でどのように生かせるのか」など、自分で言葉にすることで、自分自身を振り返る。自己肯定に導き、学習意欲や問題意識を喚起して自分の将来を意識させる。キャリア・カウンセリングは、入学後も就職決定まで定期的に行われる。
 もう一つの特色は、意図的に在学生をかかわらせることだ。集合セミナーでは、大学生活についての説明・発表や、グループワークのファシリテーターを在学生が務める。プレオリエンテーションでは、時間割を組む際の指導にあたる。こうした体験を経た入学者は、次年度以降、後輩の支援に積極的にかかわるようになる。在学生がロールモデルの役割を果たしているのだ。


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