大学連携が生む地域の活力

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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人的資源を有効活用するシステムを構築

 2010年度内には、大学・短大の人的資源を有効活用できるよう、「いしかわ教育者人材データベース」を稼働させる予定だ。各高等教育機関が持つデータベースから漏れてしまう退職教員・非常勤講師・ポスドク・大学院生などの専門分野とプロフィールをリスト化し、自治体・企業の講演・研修の講師依頼、採用活動や各大学の非常勤講師探しなどに利用できるようにする。
 今後の展開の一つには、企業との連携強化が挙げられる。地域課題研究ゼミナールにおいて、大学コンソーシアム石川は高等教育機関と地域社会をつなぐ窓口になっている。企業との間でも同様の機能を果たし、大学と企業の共同研究を推進する。
 さらに、10年後を見据え、コンソーシアム内に「共通教養教育機関」ならびに「共通評価機関」の創設をめざしている。共通教養教育機関は、現在のいしかわシティカレッジを発展させて、各高等教育機関の教養教育科目のうち共通実施可能な部分を「代行」する予定だ。
 古畑教授は、「各高等教育機関がその特徴とすべき教育部門にも力を入れ、個性をより際立たせられるようにしたい」と意気込みを語る。一方、共通評価機関は、第三者機関として外部評価を行うほか、認証評価に関するノウハウも提供する方向だ。
 文部科学省事業の選定期間最終年度である2010年度にはシンポジウムを開催して事業を総括する。ICT化などハード面の整備はおおよそ完了したため、事業期間終了後の取り組みの検討なども行う考えだ。


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