特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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汎用的能力と基礎的な専門知識が必要

  企業は採用時にコミュニケーション能力を重視しているという。しかし、企業に「コミュニケーション能力とは何か」と尋ねても具体的な回答はなかなか得られないだろう。コミュニケーション能力にはさまざまな能力が含まれるからである。
  人材養成を使命とする大学は、コミュニケーション能力とは何かを深く考えねばならない。わかりやすく話せることなのか、論理的に話を構築できることなのか、それとも議論をまとめる力なのか。また、こうした汎用的能力をいかにして身に付けさせるのかも真剣に議論すべきだ。例えば個々の授業でなのか、ゼミを通してなのか。
  大学は、汎用的能力だけを身に付けさせればいいわけではない。基礎的な専門知識を持たないと、グローバル社会にあって、国際的に通用する人材にはなり得ない。
  私は、学生が身に付けるべき「21世紀を生きる力」とは、「基礎的な専門知識(知識力)」「自分で考え、自分で行動することのできる力(知情意の総合力)」「一人でも多くの人と幸福を分かち合う仕事をすることのできる力(就業力)」「学び続けることのできる力(生涯学習力)」であると考えている。
  大学はこうしたことを十分に考えて、修得させるべき力やその方法をカリキュラムに反映するとともに、成果の情報公開を、新しい時代の中で強く求められている。


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