特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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個性・特色ある教育を発信するための改革努力

 中央教育審議会では、教育の質の向上やその保証、情報公開、国公私立大学の果たす役割の違いなど、さまざまなことが議論されている。私立大学については、経営が立ち行かない場合は「撤退」もありえるとの議論さえある。
  こうした時勢において、大学は「情報公開」「質の向上」に知恵を絞り、長期的な努力をすべきだ。
  2011年4月から大学の情報公開が義務化される。その時、大学は世間の注目を集めるほどの質の高い教育をアピールし、公開できるだろうか。公開に値する教育の充実には万全の準備が必要である。準備をしても報われない場合もあるだろう。そうしたリスクを背負い、将来を見据えて個性・特色を打ち出す努力を長期的に続けていかねばならない。
  教育における質の向上は、汎用的能力の育成および専門知識を含む基礎的な知識の修得と大きく関係している。中教審は、「学士力」の参考指針を提起した。経済産業省の「社会人基礎力」をはじめ、「○○力」と呼ばれる力の涵養については、従来さまざまな議論が行われてきた。社会の強い要請にもかかわらず、そうした力を持った学生を育てられなかったことは大きな問題である。


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