大学連携が生む 地域の活力
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学連携が生む 地域の活力

第3回

南大阪の大学が各校の強みを生かし
「学びのユビキタス」の実現をめざす

南大阪地域の高等教育機関は、2002年に「南大阪地域大学コンソーシアム」を設立した。
2008年、取り組みをさらに深めるため、参加校のうち6大学が「6大学連携事業」を開始。大学と地域が一体となった人材育成のしくみづくりをめざす。

産学官連携に注力するコンソーシアムが母体

 2002年、大阪府堺市の呼び掛けを契機に、南大阪地域に「南大阪地域大学コンソーシアム」が設立された。法人・個人会員を合わせて22の大学 ・短大・専門学校が参加する。目的は、地域全体の教育・学術研究機能の向上、および産学官連携の拠点として機能することだ。
  産学官連携の土台となるのは、研究者データベースだ。地域全体の活性化を図るため非会員大学も対象とし、現在約1300人のデータを収める。大学との協同研究を希望する企業、行政や地域団体は、データベースから研究者を探して窓口のコンソーシアムに連絡する。これまで、小規模大学では産学官連携がなかなか進まなかったが、このしくみにより大幅に改善された。
  産学官連携の具体例の一つに、企業や行政から事業を受託し、複数大学の学生が共同で課題解決をめざす「学生クラブ・アクト」がある。2005年度に開始後、関西国際空港のラウンジ内装に関する企画・デザイン、商店街の活性化支援など、さまざまな事業に取り組んできた。学生が社会とのつながりを実感しながら、調査、企画やプレゼンテーションなどのスキルを高める場となっている。

「南大阪地域大学コンソーシアム」会員校

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