大学は、企業や行政組織と違って上意下達の組織ではない。また、教育、研究、医療、その他いろいろな事業が入り組んでいて、外部からその実態がわかりにくい。受験生や保護者だけでなく、大学関係者を含む教育界の人々でさえ、一つの大学の内部状況を外から知るのは難しい。一般の国民から見れば、大学は日常生活と離れた縁遠い世界である。大卒の人でさえ、昔自分が大学に通っていた時の記憶の物差しで今の大学を測りたがる。
にもかかわらず、日本の大学は長い間、自らの活動内容を外部に知ってもらう努力をしなくても済んできてしまった。受験生のほうが大学を理解しようとするのが当然で、大学が受験生に自らを理解してもらう必要を感じなかった。日本の大学はむしろ、外部からの理解を拒んできたと言っても過言ではない。 |