特集 「学校力」を考える(3)生徒が伸びる面談
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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生徒が自ら解決に向かう面談が一層重要になる

 生徒の主体性の欠如が指摘され、かつ教師が置かれている状況が変化する中で、今後ますます求められる面談とは、「生徒が主体的に課題を発見し、解決に向かう」ことを支援する面談であろう。
  次ページで紹介している「心に残る面談」は、大学生が自分の高校時代を振り返ったものだ。そのエピソードから見えてくる面談のポイントは、「生徒に多くを語らせる」「具体的な検討材料を提示する」「生徒自身の成長を実感させる」などだ。これまでも「生徒の心に火をつける面談」「生徒を揺さぶる面談」など、高校現場でその重要性が語られることが多いように、教師の言葉が、生徒自身を内発的に動機付ける点に大きくかかわっていることが改めてわかる。
  今回、面談での独自の指導スタイルを打ち出す学校や、生徒を自ら課題解決に向かわせるための面談スキルなどを取材した。そこでわかってきたポイントは、
(1)生徒との信頼関係を継続・発展させること
(2)生徒に具体的な目標を設定させること
(3)スモールステップでの課題解決に導くこと
である。その結果、面談により、生徒が進路を自ら見いだす力、その志望を貫いたり自らの意志で修正したりする力、進路実現に向けて学習に対する意識や学習行動を自ら高めていく力を培っていることなどが分かってきた。
  「受け身」「指示待ち」などの若者の気質面が指摘される今、生徒一人ひとりに合った形で、内発的な動機付けを与え、生徒が自ら課題解決に向けて主体的に動き始める面談とは、具体的にどのようなものなのだろうか。面談手法の教師間での伝承・共有を意識した組織的な取り組みも含めて、次ページから面談の事例を見ていく。

図4

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