特集 「学校力」を考える(3)生徒が伸びる面談
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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心に残る面談

心を動かした教師の言葉、行動を大学生(進研ゼミレポーター)に聞く
※進研ゼミレポーターとは、進研ゼミ高校講座を受講したことがある大学生の協力スタッフ
エピソード1
会津大コンピュータ理工学部 Y・Kさん
「よくなってきたよ」の言葉に
いつしか乗せられました

 印象に残っているのは、データや資料を交えた面談(※1)です。模試の学力推移データや合格可能性判定データを前に、今後の学習法について先生と話し合ったのですが、具体的なアドバイスがもらえて、納得がいきました。また、僕の話にとても親身に、興味を持って耳を傾けてくれるので、気がつくと自分ばかりがしゃべっている(※2)こともありました。
  成績が伸び悩んだ時期もありましたが、先生はその都度「ちょっとずつ成果が見えてきたな」と励まして(※3)くれました。最初は先生の言葉に半信半疑でしたが、だんだん乗せられてきたように思います。
  先生は、面談のときに限らず掃除の時間などにも常に声をかけてくれ、それがとても嬉しかったです。「自分のことを見ていてくれる、気にかけてくれている」と思えて、それは先生への信頼感と自分への自信につながりました。

生徒を動かしたポイントと課題
※1 データや資料を基に面談を行うことで、生徒、教師共に具体的な話を展開することができた
※2 生徒自身に今の状況を語らせ、更に今後について考えさせ、これからの目標を自分の言葉とさせることができた
※3 生徒は教師が褒め、励ますことで前向きになれることがある。ささやかな努力、小さな変化を評価することで、生徒は自信を持つことができた
エピソード2
金沢大工学部 K・Kさん
先輩の成功談を「きみも同じ」と
繰り返し話してくれた

 先生は、常に「上を目指せ!」と言いました。僕の志望に合った大学・学部を一緒に調べてくれ、「頑張ればこの大学でも大丈夫だ」と上の目標を勧めてくれた(※4)ことがとても嬉しかったです。「ハードルは今飛び越えられる高さよりも高く設定して頑張れば、最後に越えられるハードルはもっと高いものになる」という言葉は今でも鮮明に覚えています。
  先生の影響もあって、第一志望をどこにするか、最後まで悩みました。ときには「僕の志望は高望みではないだろうか」と不安になることもありましたが、先生はその都度「きみなら大丈夫(※5)」と本当にいつもいつも励ましてくれたんです。
  また、「きみよりも成績が下の生徒を担任したけど、その先輩は頑張り抜いて見事合格したよ(※6)」という話を何度もしてくれました。何度も聞くうちに「自分も大丈夫」と思うようになってきたのです。

生徒を動かしたポイントと課題
※4 少し高い目標をあえて提示したことで、生徒の自尊心を大切にしながら努力させることができた
※5 不安に陥りがちな生徒に「大丈夫」と声をかけ続け、不安を取り除いた

※6

その生徒にとってモデルとなるような事例を提示。生徒が「同じようにやれば自分も大丈夫」と思えるような道筋を与えた
エピソード3
岡山大教育学部 K・Tさん
優しい言葉はなかったけれど、
自分に自信を持たせてくれた

 3年次の担任の先生の面談は、一言で言えば「厳しい」ものでした。例えば、「今の学力のままでは、この大学は無理だ」とはっきり断言する先生でした。進路実現の可能性を正直に教えてくれるのはとてもありがたい反面、ときには厳しいなぁと思うこともありました。もちろん、そのとき先生は、そういう風に言えば私が奮起することを見越していた(※7)のかもしれません。
  それに、先生はよく「きみは成績は確かになかなか上がらないが、そういうきみだからこそ、生徒の気持ちがわかるよい教師になれるはずだ」と言ってくれました。成績は今のままではダメだけど、教師という仕事には向いていると言ってくれた(※8)先生の言葉は、何よりの励みになりました。

生徒を動かしたポイントと課題
※7 その生徒の性格や置かれている状況を見ながら、生徒自身が奮起していくような言葉をかけていった
※8 入試は進路実現のための一つのハードルにすぎない。目前の入試だけにとらわれず、目指す進路を踏まえた励ましで生徒を勇気付けた

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