指導変革の軌跡 兵庫県立姫路東高校「単位制高校」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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自分で選んだ進路だからあきらめずに頑張れる

 06年3月、単位制1期生の入試結果が出た。学年制最後の卒業生の05年度と比べ、合格者総数は微増だが、個別の大学では大きく変化した(図3)。神戸大や兵庫教育大など地元の大学、同志社大や立命館大などの難関私立大が大幅に増加したのだ。有本先生は「これまでの本校の生徒には最後の粘りが足りなかったかもしれません。行きたい大学があっても、模試やセンター試験の結果を見て、安全な選択をする生徒が少なくありませんでした」と分析する。しかし、それも単位制になって様変わりした。
  「早い段階から将来を考え、それに応じた科目を自ら選択することで、進路に対する自覚や責任感が芽生えたようです。自分で選んだ夢だからこそ、最後まであきらめずに頑張れたのではないでしょうか」(有本先生)

図3

  元々、地元志向は強いが、以前は最後の粘りが足りずに志望変更する場合があった。しかし、単位制1期生の中に、3年次での志望校決定の際、法学部か経済学部かを迷い、あえて難易度の高い法学部に挑戦した生徒がいた。その生徒は面談で「法学部進学に向けて科目を選択し頑張ってきたから、最後まで貫きたい」と力強く語ったという。以前の生徒にはなかった粘り強さが見え始めた。
  永井達郎教頭は「伝統校ながら、教師が一体となって新しい学校をつくろうという意気に燃えています。それに応えて、生徒は単位制1期生というプレッシャーの中で結果を出してくれました。新しい姫路東高校の姿は広報活動を通して地域に伝えていきたい」と意気込みを語る。
  5期生の募集に向けた活動はいよいよこれからが本番。新たな姫路東高校の姿は、地域の人々にどのような印象を与えるのだろうか。


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