データから見るSELHi校と一般校の英語教育 SELHi校の指導のポイントを読み解く
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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まずはリーディングとスピーキングで基礎づくりを

 英語の授業ではしばしば「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」の4技能及び「統合的活動」を、同時展開しようと考えがちだ。だが、前ページ図5から明らかになったのは、「リーディング」「スピーキング」についてはG3以下の生徒でも自己の学力を的確にモニタリングでき、学習への見通しが立てられるが、「ライティング」「リスニング」「統合的活動」ではモニタリングが働きにくいということだ。
  また、「リーディング」と「スピーキング」では、G3以下でも「できる」と感じている生徒が多く、学力の低い生徒でも比較的入りやすい領域であると言える。反対に、「リスニング」になると「できる」と感じている生徒の割合はかなり少なくなり、「ライティング」や「統合的活動」では更に減少する。
  そこで、英語コミュニケーション能力が低い生徒に対しては、まずは「リーディング」と「スピーキング」を重視した指導から入り、基礎を築くことが求められる。そして「リスニング」「ライティング」と段階的に指導し、最後に「統合的活動」を取り入れるといった学習到達段階に応じたカリキュラム構成が効果的であると考えられる。事実、当初はG1、G2レベルだった生徒をG5、G6レベルにまで伸ばすことに成功したあるSELHi校の先生に話をうかがうと、最初は教科書の音読からスタートし、徐々に難度を高めていったという。


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