特集 受け身から主体的な学習に向けて
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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課題には素直に取り組むが予習はしない生徒たち

  では、生徒は自宅でどのような学習をしているのか。図3を見ると、「出された宿題をきちんとやっていく」「授業で習ったことは、その日のうちに復習する」という生徒が増えている。その一方で、「予習をしてから授業を受ける」は、01年調査から減少している。「与えられた課題には素直に取り組む生徒が増えた」と学校現場からよく聞く。学習に対して受動的な生徒が多い、という傾向を表しているのではないだろうか。

図3

 図3で示した家庭での学習の様子のうち、06年調査分を偏差値帯の学校群別に示したのが図4だ。「出された宿題をきちんとやっていく」はすべての学校群で80%を超えているが、「予習をしてから授業を受ける」は、偏差値55以上の学校群では75.9%と高く、ほかの学校群とでは大きな差がある。

図4

 また、図5は、家庭学習のスタイルについて予習中心か復習中心かを聞いた結果だ。これを見ても、偏差値55以上の学校群は「予習中心」。それ以外は「復習中心」と学習スタイルの違いが明らかである。

図5

 以上から、「予習などが中心の主体的な学習スタイル」か「宿題や課題などが中心の受動的な学習スタイル」かは偏差値帯別で差があり、特に偏差値55未満の学校群では受動的な生徒が増加しているといえそうだ。
 このような学習時間や学習スタイルは、生徒気質の変化に加え、中学校や塾での手厚い指導の影響もあると考えられる。中学生の調査結果からも「受動的な学習の生徒の増加」という課題が明らかになった(注1)。

注1『VIEW21』中学版07年1月号特集「『学びに向かう』生徒をどう育てるか?」参照。


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