未来をつくる大学の研究室 神経内科学

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学院での学び
研究者である前に医者としての意識を持つ

三木 医学系の大学院の場合、大学卒業後、すぐ大学院に入れるわけではありません。医師の国家資格を取得して研修医となり、更に病院で何年か勤め、なおかつ研究をしたいと思ったら、大学院を受験するという形になります。私は現在、大学院で研究をしていますが、医者としてのスキルを維持するために、週1、2日は病院で働いています。治療法も日進月歩で進んでいるので、新しい薬や治療法の情報を得て、研究に生かすためです。研究だけに没頭するのではなく、医療の現場に立つことが必要なのです。

仁科 医師として働いていた数年間、研究のブランクがあるので、最先端の知識や技術に遅れをとっている面がありました。しかし、私たちは「研究者」である以前に「医者」という意識が強くあります。病気を直接診て、それを治すためにはどうすればよいかという視点に立っているので、いろいろなアイデアが出てきます。今は治せないけれども、いつか患者の治療に役に立つ日が来るかもしれない研究をしているということが、やりがいであり、モチベーションにつながっています。

高校生へのメッセージ
勉強だけでなく、常に好奇心を持って

三木 診療では、患者の話を理解し、わかりやすく伝えるというコミュニケーション力が大事です。研究に際しては、「どうしてこうなったのだろう」という好奇心や疑問を持つことが大切。知識を吸収するだけでは、新しいことを発見したり、つくったりすることはできません。人が思いつかないことをすることが研究だからです。

仁科 患者にはいろいろな人がいます。そういう人たちと接するためには、社会全般に関心を持ち、ニュースを見る、新聞を読むことも含め、社会と接することが必要です。研究者としては、理系の知識と、物事を順序立てて考え結論を導く、議論を展開する力が必要です。また、医者は結構体を使います。体力も必要ですね。


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