特集 「多様化」する保護者にどう対応するか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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グループワークで保護者の結束を強める

 保護者同士の交流を促しているのも、同校の特徴の一つだ。
 保護者会では、全体会、クラスでの担任報告のあとに、各クラスで保護者のグループワークを開く。保護者を4〜6名ずつに分け、悩みや不安を語り合ってもらうのだ。共通の話題が出るよう、運動部に所属する生徒の保護者、男子・女子の保護者など、グループ分けに配慮する。話が盛り上がらないときには、自己紹介と悩みを順番に話してもらったり、担任が「自宅学習」「携帯電話」などのテーマを提示したりする。
 「保護者は同じような悩みや不安を抱えています。互いに話すことで、解決の糸口を見つけたり、不安を解消したりできることもあります。保護者の結束を固めるにはグループワークは一つの良い方法だと思います」と、木村先生はその意義を述べる。
 このほか、同校では各部活動でも保護者会を開いている。部活動への理解を求めると共に、保護者同士の交流を促すためだ。鎌田先生は、「子どもに遠慮して、直接話を聞けない保護者が増えていると感じます。しかし、保護者同士なら子どもに聞けないことも聞ける、という安心感があるようです」と話す。
 卒業生の保護者からは、「苦しいときでも、保護者同士で話し合えたことが心の支えになった」「『受験は団体戦』の意味が実感できた」などの声が寄せられている。保護者の横のつながりを強めることで、学校と保護者の一体感もつくり出している。


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