特集)自立を支える「学校」と「家庭」の連携
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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生徒より保護者のほうが 「早く楽になりたがる」

 3年次の進路勉強会は、6月の1回のみとなる。入試制度の概要、学校の指導方針などをもう一度説明しながら、「受験の最大の敵は精神の不安定である」「保護者は悠然としていてほしい」といった、受験生を持つ保護者としての心構えを強調する。
 「『子どもとしっかり話し合った上で進路を決めたのであれば、あとは子どもを見守り、結果は冷静に受け止めてください』とお願いしています。子どもが家庭に求めるのは、安心できる居場所であることです。だからこそ、保護者には、最後まで温かく見守る姿勢を持ってほしい。それが子どもの安心感につながるのです」(伊藤先生)  更に上を目指す力のある生徒には、「本人が多少消極的であっても、学校としては受験を勧める」という指導方針を伝え、家庭の協力を求める。
 「本校では、生徒よりも、保護者の方が『受験を早く終えて楽になりたい』と安全志向になりがちです。早く合格が決まれば、それが良い大学だと思い込み、安易に入学を決めてしまうのです。楽になりたい一心で保護者が妥協していたのでは、子どもにやる気を失わせるだけ。子どもが『やるだけのことはやった』と思えるように支え続けることが、保護者の役割であることを伝えています」(伊藤先生)

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