特集)学力下位層の拡大にどう向き合うか
塚越究

▲群馬県立富岡高校教頭

塚越究

Tsukagoshi Kiwamu
教職歴25年。同校に赴任して1年目。「無茶だけど無理じゃない」

高橋康

▲群馬県立富岡高校

高橋康

Takahashi Yasushi
教職歴21年。同校に赴任して10年目。進路指導主事。「生徒には『一歩前へ出る勇気』を身に付けてほしい」

八木原賢

▲群馬県立富岡高校

八木原賢

Yagihara Masaru
教職歴27年。同校に赴任して7年目。1学年主任。「夢を見ることの大切さを生徒に語り掛けていきたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「なりたい自分」と「今すべきこと」を「黒門プロジェクト」で自覚させる

 きめ細かい指導で学力層の拡大に対応してきた同校だが、生徒の学力も意識も下がり続ける中で、授業や補習だけで生徒を引っ張っていくことに限界を感じ始めていた。そこで、大胆に発想を変え、体系的な進路学習を通して生徒の意識面の変革を促す指導への転換を図った。それが、05年度入学生から始めた「黒門プロジェクト」()だ。「こんなことを学びたい」「こんな職業に就きたい」という「なりたい自分(Want)」を想像させ、「今、しなければならないこと(Must)」に気付かせるプログラムだ。
図:黒門プロジェクト概要
 取り組みの柱は「サクセスシステム」と「ドリームプラン」だ。「サクセスシステム」は、夢の実現に向けて日々の学習計画を立て、達成度を振り返り、反省・修正していく学習支援システムだ。手順は、(1)ドリームシートに自分の興味・関心のある事柄や、将来の夢、なりたい職業などを記入、(2)日々の学習計画や部活動など1日の計画を立案、(3)毎日の生活や学習時間を記録・点検、(4)校内実力テストや定期考査の結果を記入・分析し学習状況を見直す、というもの。
 「ドリームプラン」は、教科の壁を取り払い、興味・関心に応じて総合的・体験的に学問を深めることで夢を育むプログラムだ。1年生は現代社会の課題について学び、社会貢献の側面から職業を考える。2年生は自己の興味・関心を具体化させ、「テーマ研究」として追究すると同時に、実現に必要な学問や大学について調べる。並行して、大学見学や大学の模擬講義を行い、大学や学問のイメージを具体化していく。

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