特集)学力下位層の拡大にどう向き合うか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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指名補習により下位層の学力と意識の向上を図る

 図2で示したように、同校は徹底した学力層別指導により、学力層の拡大に対応している。堤先生は、「『成績上位層は育てる』『成績下位層はこぼさない』というのが、本校の基本です」と、指導方針を端的に述べる。
図2:学力層別の対応
 成績下位層を下支えするための取り組みの一つは、「基礎力養成講座」だ。年4回の定期考査において、1、2年生の成績下位層を指名して行う補習で、国語、数学、英語で各20人程度が対象となる。
 以前は、各学年とも成績にかかわらず、希望者による補習を行っていたが、学力層の違いにきちんと対応した指導をするために、3年前に指名制に変更した。部活動に忙しい生徒でも半ば強制的に参加させることにより、部活動のある生徒でも補習に集中できるようになったという。
 指名する生徒は、当初、模試の成績で決めていたが、今は定期考査の結果で選ぶ。指名される生徒を固定化しないためだ。
 「成績下位層の生徒に必要なのは、やればできるという自信と上を目指そうとする意欲です。模試の結果では生徒が固定しやすく、それでは挫折感が増すだけです。定期考査にすれば、下位層から抜け出せる機会をより多く与えることができます」(酒井先生)

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