指導変革の軌跡 宮崎県立高原高校
尾辻公一

▲宮崎県立高原高校

尾辻公一

Otsuji Koichi
教職歴32年。同校に赴任して5年目。進路指導主事。「生徒には試行錯誤を繰り返しながら成長してほしい」

菊知一惠

▲宮崎県立高原高校

菊知一惠

Kikuchi Kazue
同校に赴任して10年目。福祉科担当。進路指導部。「一人ひとりの夢や目標をかなえられるよう生徒を励ましていきたい」

 
VIEW21[高校版] 先生方とともに考える 新しい進路指導のパートナー
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家庭学習の習慣化によって地道な努力の大切さを知る

 家庭学習指導も見直した。同校では、10年以上前から、毎日、ノートの1ページ分の家庭学習を課してきた。内容は自由だが、生徒によっては単語練習のつもりか「cat, cat… , dog, dog…」などと大きな文字で『宅習ノート』を埋めてくる者もいた。中には全く手を付けず、30〜40ページもため込む生徒もいた。
 「生徒にしてみれば、中学時代から家で勉強した経験がほとんどなく、勉強法が分からないのです。そこで、新入生オリエンテーションの時に上手に学習している先輩の宅習ノートをコピーして、見本として配布しました。また、宅習ノートは朝のSHR後に集め、午後に返却するという流れを明確にしました。まだすべての生徒に家庭学習の習慣が定着したわけではありませんが、学力的に厳しい状況から地道に家庭学習を重ね、介護福祉士の国家試験に合格した生徒も大勢出てきています。家庭学習を継続すれば、確実に力が付くことを繰り返し伝えたいと思います」(尾辻先生)
 家庭学習では、まずは内容よりも「家庭学習の型」そのものを身に付けさせることが大切だと、生徒指導主事の相星正人先生は述べる。
 「家庭学習の習慣が身に付いていない生徒には、机に向かわせることだけでも習慣付けさせることが重要です。最初は単語の羅列であっても、丹念に指導し、学力向上に結び付けていけば、おのずと家庭学習の内容も向上していくのではないでしょうか。教師があきらめず地道な指導を積み重ねていくことが、生徒の学力を伸ばすと考えています」

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