指導変革の軌跡 山形県立鶴岡南高校「生徒の主体性の育成」
難波 理

▲山形県立鶴岡南高校

難波 理

Nanba Osamu
教職歴24年。同校に赴任して14年目。2学年主任。「生徒の夢と、共に歩み続けたい」

松浦政弘

▲山形県立鶴岡南高校

松浦政弘

Matsuura Masahiro
教職歴15年。同校に赴任して3年目。総務課。2学年担任。「モットーは思考停止しないこと。時間がかかっても必ず解決策は見つかる」

佐藤雄樹

▲山形県立鶴岡南高校

佐藤雄樹

Sato Yuki
教職歴11年。同校に赴任して7年目。生徒指導課。2学年担任。「『今、生徒に必要なことは何か』を見極め指導に取り組んでいきたい」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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企画立案の経験が生徒の成長とクラスの団結を促す

 生徒が運営するLHRには、生徒同士のコミュニケーションが促進され、相互理解が進むという効果もある。五十嵐満先生は生徒の様子を次のように話す。
 「私の学級では、1年生5月の最初の自主企画で流しソーメンを行いました。入学したばかりとあって、生徒間のコミュニケーションにはぎこちなさもありましたが、準備を進めるうちに、例年にない早さでうち解け合うことが出来ました。入学当初から自分たちで考えて取り組む姿勢が求められたので、学年全体に活気が生まれ、学級替え以降も、行事に対して積極的に臨む生徒がこれまでよりも多いと感じます」
 失敗した企画もあるが、それも学級の団結や生徒個々人の成長には欠かせない経験になっていると、萩原晴菜先生は強調する。
 「生徒はいかにクラスメートを楽しませるかという観点で企画を練ります。しかし、クラス全体を動かすのは難しいものです。前日まで企画がまとまらない、当日、企画書通りに進まない、ということも珍しくありません。ただ、イベントが盛り上がらなかったとしても、運営した班を責める生徒はいません。生徒一人ひとりが企画に携わり、運営の大変さを身にしみて分かっているからです。互いの努力を認め合う雰囲気が生まれています」
 松浦政弘先生も、成功しても失敗しても、挑戦すること自体が生徒を人間的に大きくさせると感じている。
 「集団での活動では、よほど強いリーダーシップのある生徒でなければ、自ら先頭に立って周りを引っ張ろうとはしません。しかし、10代は失敗しても周りが支えてくれる時期です。そうした時期に試行錯誤を繰り返し、周囲のサポートの大切さを実感するのは貴重な体験になります。また、自分のアイデアや能力を試す場を生徒に用意することによって、自信が持てるようになったり、今まで見えていなかった自分を発見したりする機会にもなっています


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