特集 つながる幼小の「学び」 ―幼稚園・保育園から小学校、その接続を考える―

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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小学校の学びにつながる原体験を積み重ねる

 小日向台町幼稚園では、社会性の育成も重視している。
  「社会性は、幼児期からの積み重ねによって育ちます。幼稚園はその基盤を築くうえで重要な役割を担っています」(酒井先生)
  3歳児にはまず、「幼稚園って楽しいな」「お母さん代わりの人がいるんだな」といった安心感を抱かせることを重要視する。そして4歳児には、特に“自己発揮”の能力を育てることを心掛けているという。
  「大人にとって都合のよい“いい子”にするのではなく、むしろ周囲を気にせずに、正直に感情を表現させるようにしています。すると、当然、まわりの園児と衝突し、しばしばけんかも起こるんですね。そのときには、自分の感情をコントロールし、相手と折り合いをつけられるように、教師が何度も指導します。こうした“原体験”として、『仲良くすること』『仲直りすること』の意味を学び取っていなければ、たとえ小学校で『友だちと仲良くしよう』といった目標が与えられても、実感できないと思うんです」
  そうした土台を築いたうえで、5歳児では、友だちと協力し、同じ目標に向かって協同的に作業を進める能力を育て、小学校へとつなげている。

図1

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