移行措置対応のポイント 第2回 「活用」から見る算数の授業

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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研究会「確かな学び」のための3つの観点
−「習得」と「活用」を両輪とした授業づくり−
講師:齊藤一弥先生
 問いの明確化、既習の整理から問いづくり
授業の入り口で、その時間に解決すべき「問い」をクラスで共有することが大切。既習内容を振り返り、「これまでとどこが違うのか」などの新たな課題との関係を明確にすると、「今日の授業では何を考えるのか」という問題意識が明確になる
授業を分析
2年生
既習事項からの整理 P.16 ③
前時に学習した「39−15」を振り返り、「25−8」と比較させたかった。一の位に着目し、「9−5」は計算出来るが、「5−8」は出来ないという違いに気付かせれば、「どうすれば25−8を解けるか」という問題意識がより高まったはず

問いの焦点化 P.16 ③
「25を何と何に分けようか」と問う際、教師には「10と15」に分けて計算させる意図があったが、子どもは自然な発想で「20と5」に分けた。「(1年生で習った)15−8と同じように計算するには、どう分けたら良いか」と問うべき
6年生
変わったことの確認 P.17 ② ③
10畳一室という条件から、6畳の別室を追加して計16畳という条件に変わった際、「19人÷16畳」「16畳÷19人」を計算して込み具合がどれだけ緩和されたのかを確認した方が良かった(子どもからそのようなつぶやきがあり、黒板にも式を書いたが計算はしなかった)。この計算を授業の最後に行ったのは、不自然な流れだった

予想→確認へ P.17 ②
最初に平等な部屋割りを予想し、計算して確かめる展開は、「直感で予想したことを論理的に説明する」という算数的な思考を育てる上で良かった

確認事項の洗い出し P.17 ②
「10畳=11人、6畳=8人」という予想が出ないまま授業を進めた。疑問を抱いた子どもがいただろうから、すべての組み合わせを挙げて比較する必要があった
授業後、知識・技能の習得とその活用を両輪とした「確かな学び」のための授業づくりというテ−マで研究会が行われた。齊藤先生は、藤本先生と中嶋先生の授業について、これまで学んだことを活用して問題解決する授業に挑戦したことや、子どもの思考過程を丁寧に板書していたことが良かったと評価した上で、3つの観点から授業の分析を行った。
…良かった点
■…改善のアドバイス

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