移行措置対応のポイント 第3回 子どもが主体的に考える理科の指導
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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「くにごメソッド」のメリット2

 授業の視点が焦点化でき研究授業の質が高まる
 教師間で「くにごメソッド」を共有し、話し合いを通して改善する過程では、研究授業が大きな役目を担う。教務主任の髙木正之先生は、「教師が指導力を高めるには、自分で指導案を書いて授業をし、見直すことが必要です。それはベテランも若手も同じ」と話す。同校では研究授業を重視し、各教師が最低年2回、全体で計30〜40回の研究授業を行う。
 「『くにごメソッド』があることで、授業を見る視点が焦点化され、研究授業後に全員参加で行う協議会(図3)ではポイントが絞られているため、深い議論が出来ます。協議会は、皆がメソッドへの理解を深め、進化させるために欠かせない場です」(髙木先生)
図3:授業後の協議会の内容
 成果は、どのように表れているのか。堀越裕之校長は次のように話す。
 「『子どもが変わった』と思えるまでには、2年ほど掛かりました。次に考えるべきことが分かっている子どもが増えたというのが大きな変化でした。その姿を見た教師が安心して、更に指導を深めていく姿勢が生まれ、研究が加速しているのを感じます」 
 髙木先生は学級経営の変化も感じている。
 「『くにごメソッド』に取り組み始めてから、先生方が子どもの実態をよりよく見るようになりました。授業が良くなり、子どもとの距離も近付いて、学級の荒れがほぼ皆無になったことはうれしい成果です」
 課題は、このメソッドは高学年を想定してつくられており、中学年にはやや難しい内容があることだ。基本的な考え方は変わらないが、授業では子どもに合わせてどのように構成するか、今後、検討していく考えだ。

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