教育現場の挑戦 意欲を高める「学校」づくり
愛知県 犬山市立城東中学校

「質の高い集団づくり」をめざし、集団の中で個を育てることを目標とする。犬山市全体で行う教師の主体的な「授業づくり」の一環として、少人数授業や評価規準の充実などにも取り組む。

不破純二

▲校長 不破純二先生

児童数 361人
学級数 13学級
所在地 〒484-0094
愛知県犬山市塔野地田口洞39-101
TEL 0568-61-0501
FAX 0568-63-0270
URL http://www.inuyama-
aic. ed.jp/jyouchu.h.p/

※本文中のプロフィールはすべて取材時(06年3月)のものです

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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[実践事例]

愛知県 犬山市立城東中学校

3年生が下級生の「手本」となることで意欲的な生徒集団が育つ

実践のポイント
1 4月の宿泊学習で、生徒同士の人間関係の基礎づくりを促す
2 行事などで中心となる3年生の姿を、1、2年生の「憧れ」「手本」として見せる
3 学習カードで授業の目標を明確に伝え、生徒に自己評価をさせる

質の高い生徒集団の目安となる四つの目標を設定

  城東中学校は、2005年度の重点目標を「ともに学び、高め合う授業の創造・主体的な表現活動を通して」とし、「質の高い生徒集団づくり」と「集団の中で個を育てること」に力を入れている。その背景には、平成生まれの生徒の気質の変化があると教務主任の岩田和敬先生は話す。
  「最近の生徒は、少子化の影響からか対人関係能力に課題があり、他人とのコミュニケーションが苦手です。また、社会性や規範意識が身についていない傾向を感じます」
  そこで、「質の高い生徒集団づくり」を具体化するために、城東中学校が掲げているのが、次の4項目だ。
(1)深い人間関係・信頼関係…心が通い合う人間関係・信頼関係は、集団生活をいきいきと送るための基礎。
(2)ルール・マナーの定着…集団生活ではルールとマナーを守ることが求められる。安心して生活し、学習できる環境の基本になる。
(3)具体的な目標の設定…個人の目標以外に集団(学級・学年・部活など)の目標を具体的に設定し、個々が理解することで、集団が一つの目標に向かってまとまることができる。
(4)生徒の役割の明確化…生徒個々の役割が明確であれば、活動の動機づけが強くなり、集団への帰属意識、貢献意識、自己効力感を育てられる。
  以上のような目標が、どのように実現しているのかを取材中に出会った「よさこいソーラン」の練習の光景から見てみよう。

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