特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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週30コマの激務を支える「成熟した教師集団」

 2009年度からは、週29コマに朝の帯時間を加えた実質週30コマで運用している。ねらいは二つある。一つは、新教育課程の全面実施を見据えて、教師・生徒共に時数が増えた状態での学校生活に慣れておくこと。もう一つは、各教科では指導しにくいが大切な、学びの土台となる力を育成することだ。増加した時数は「総合的な学習の時間」(以下、総合学習)の扱いとし、学校行事とその準備等に充てている。
 指導の個別化を進め、時数を増やせば、当然、教師の負担が増える。また、教務担当者にとっては時間割の調整もますます煩雑になる。それでも、同校には授業にも校務にも前向きに取り組む雰囲気がある。教師の意欲が維持されている理由として、諏訪部校長は次のように語る。
 「すべての教師の役割分担が適切になされていることでしょうか。校長の役割は、学校の目指す姿を明確にして先生方に示すことです。単に文書や口頭で伝えるだけではなく、自らが率先垂範する。ただし、いつも校長が前に出るのではなく、校内のリーダーを見付けて上手に頼り、先生方の意思疎通と工夫で問題解決できる雰囲気をつくることが大切です。先生方の動きを見て任せるものは任せ、もし何かあれば自分が前に出る。その積み重ねによって学校全体の目的意識が共有されると共に、各自がどう動けばよいかを考えて行動する『成熟した教師集団』が出来ていくのではないでしょうか。日々飛び回っている先生方には本当に感謝しています」


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