公立学校教員の採用試験の競争倍率も低下した。公立小学校教員の採用試験の競争倍率は、00年度は12.5倍だったが、04年度には4.8倍に、中学校教員の場合は、17.9倍から11.8倍まで低下した。2倍程度まで落ち込んだ都道府県もある。長年にわたって厳しい競争の壁に阻まれてきた受験生からすれば、前途に光明を見る思いがすることであろう。
過去に遡ってみると、公立小・中学校の教員採用数がピークに達したのは80年前後で、年間2万人を超えていた。ところがその後、少子化の影響で急速に減少し、00年度にはピーク時の3分の1近くまで落ち込んだ。それが、この5年間で急速に回復したのだ。
少子化時代が続いているにも関わらず、なぜこれほどまで急激に回復したのか。それは、今後10数年間は定年退職する教員が急増し、教員が大幅に足りなくなるからだ。
この点についてはすでに7年前から、広島大学の山崎博敏教授が著書「教員採用の過去と未来」(98年、玉川大学出版部)などで指摘していた。
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