偏差値50以上55未満と45以上50未満の高校のグループ学習の体験率に大差はないが、その内容は全く異なると想定される。前者は、詰め込み教育よりもグループ学習や自主的な学習に力を入れ、視野広く学んでいる。後者では、体験的な学習からリアリティを感じることにより知識を定着させている、といった想定である。
偏差値55以上の高校で学んだ学生と、偏差値45未満の高校で学んだ学生が混在する基礎演習では、自主的に考え、調べ、まとめて発表する中身の質、レベルが大きく異なることが考えられる。実際、学生に発表をさせると、高いレベルの発表をする学生がいる一方で、中学生レベルの学生もいる。優秀な学生はほかの学生への配慮からか、手を抜いていることもある。
このように、多様な学生に対応するために、基礎演習ではきめ細かい個別指導が求められる。しかし、教員は指導のために授業外でも多大な時間とエネルギーを費やさなければならず、学習の進捗チェックや学習スキルに対するコメントの要求度が下がってしまっているのが現状である。
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