立教大学は、2001年12月に「今後、大学は自らの教育理念を明確にするとともに、それを教育のレベルでどのように実現し、達成するかについての制度と手法を持たなければならない」として、「全学FD検討委員会」を設置した。FDを「教育向上に向けた組織的な支援活動の意味で、教育方針を具体化するための仕組みづくりの総体である」と位置付け、FDの内容について検討を開始した。
2002年7月に出された委員会答申では、FDの柱として、「教員の授業力の強化」「カリキュラム編成の合理化」「成績評価の厳正化」が挙げられ、FDの支援と教育法開発を担当する部局として、FDを支援するセンターの設置が必要と指摘された。これを受け、学生による授業評価の全学的な実施、シラバスの一層の充実、履修上限を実効性のあるものにすること、などを実現させていった。2003年秋には、全学部のFD活動を支援する組織の設立が提案され、2004年10月に「大学教育開発・支援センター(以下、センター)」の発足に至った。
当センターは、総長直属の組織であり、基本方針の決定は総長が委員長となるセンター運営委員会(以下、運営委員会)で行われる(下図)。運営委員会では、学部長がセンターの長を兼務することにより、センター長が自動的に部長会に常時参加していることになる。この仕組みは、センターの独立性を維持しながら、全学的な意思決定と当センターが直結するという組織的な利点となっている。
正・副センター長とセンター員は学部の専任教員であり、センター専任の教員はいない。当センターは専任教員の専門分野に対して中立の立場を保っているという点がメリットと考えている。2人の学術調査員(任期付き)は、高等教育および教育調査を専門とする若手研究者である。また、専任職員2人が活動の基盤を担う。任期のないスタッフは専任職員の2人のみで、費用対効果は大きいと自負している。
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