大阪経済大学がアドミッション・ポリシーを定めて、ホームページで公開を始めたのは2006年7月のことだ。2005年に出された中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像(答申)」を受け、入試課が音頭を取って策定した。中教審の答申に背中を押される形での策定だったが、その後、さらに深化を遂げるべく、改訂作業が行われた。
重森曉学長をはじめ学長補佐、経営本部長ら6人から成るプロジェクトチームが発足したのは2006年10月。大学の現状や課題などを洗い出し、大学の使命や位置付けを明確化。2007年5月に全学のアドミッション・ポリシーを構成するミッションステートメントと基本コンセプトである「つながる力」を定めた。それらを基に各学部のポリシーを策定し、2007年7月、ホームページに公開した。
基本コンセプトとして「つながる力」を強調したのは、同大学の教育理念である「人間的実学」を高校生に分かりやすくアピールするという意図からだ。この理念には、人間同士のつながりが、実社会につながる能力を育て、学生自身の未来につながるという意味がある。同大学では1年次からゼミ活動を取り入れ、活発な討論、ゼミ単位での旅行やレクリエーションが行われるなど、伝統的に学生と教員の関係は深い。
経済学部長の徳永光俊教授は「本学は、巨大なキャンパスや豊富な教育資産を持つ総合大学に比べると、スケールメリットは小さいかもしれない。しかし、本学には学生同士、学生と教員がいつでも顔を合わせられる環境がある。教育理念を『つながる力』として表現し、受験生に中規模校ならではのメリットもアピールしたいと考えた」と語る。。
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