早期から「大学での学び」を視野に入れ
思考力向上や自己認識の模索を支援

　桜美林大学は、2007年度の学部改革により、日本の私立大学として初めての「学群制」を完成させた。幅広く学んで目標に合った専門性を養う「リベラルアーツ」と、特定の資格や職業に対応した専門教育を重視する「プロフェッショナルアーツ」に分けられ、リベラルアーツにはリベラルアーツ学群、プロフェッショナルアーツにはビジネスマネジメント学群、健康福祉学群、総合文化学群が設置されている。
　自ら学びを創造し、体系化することが求められる学群制では、「学生一人ひとりの主体的な学びを可能にする基盤を身に付けるための教育」が必要だ。その役割を、同年に設置された基盤教育院が担う。桜美林大学の入学前教育プログラムは、この基盤教育の理念に基づき、「大学での学びとは何か」を体験的に理解することを目的として構築された。
　２年次秋に専攻プログラムを選択する「レイトスペシャライゼーション型」のリベラルアーツ学群には、複数選択も可能な33の専攻プログラムがあり、学びの幅が広い。学生一人ひとりが「大学で何を学びたいのか」を十分に考えたうえで専攻を選ばなければ、４年間を無意味に過ごしてしまう危険性がある。学生の履修計画は、専任のアカデミック・アドバイザーや専攻プログラムの教員が支援するが、これらを有効活用できるかどうかは、学生自身の意識にかかっている。