慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスがAO入試を開始してから20年、東北大学、九州大学でAO入試、筑波大学でAC(アドミッションセンター)入試が導入されてから10年以上が経過した。2008年度には、私立大学において推薦・AO入試を経て入学する学生が過半を占め、国公立大学においても全体の15%程度を占めるようになった。今日、すでに推薦・AO入試といった特別選抜制度の存在を抜きに、大学入試制度について考えることはできない。
昨今、一部の大学ではそのあり方が廃止も含め再検討されているが、単純に廃止するだけではもはや済まされなくなっている。取りやめによって、高校の教育現場やすでに推薦・AO入試で入学している学生にどのようなインパクトを与えることになるか、またその代替ルートをどう措置するかといった事項まで検討されなければならない。それほどまでに「特別」選抜制度が「一般化」しているという認識が重要である。
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