松本大学は開学以来、「地域貢献」を基本理念に掲げ、地元企業や高校との連携に力を入れてきた。企業等の協力を得る教育プログラム「アウトキャンパス・スタディ」や「サポーター教員制度」もその一環。こうした活動を地元メディアなどに発信する広報活動にも積極的で、新聞やテレビに取り上げられることが多い。
学生の育成に当たって重視するのは、一人ひとりの「自ら学ぶ意欲」だ。アウトキャンパス・スタディでは、地域の農業、観光、医療など、現場での実体験を通して、社会におけるさまざまな問題と大学で学ぶ理論を照らし合わせ、実社会に対応した総合的な視点を養う。これが学生の意欲を喚起する機会となっている。地域における大学の活動を知ったことがきっかけとなって受験するケースも多く、松本大学が第一志望だったという入学者は例年約8割を占める。
募集人員の6割を推薦・AO入試で受け入れている。住吉広行副学長は、「AO入学者の多くは目的意識があり、学びへの意欲が高い。私たちは一般入試で求められる知識や学力だけでなく、社会で求められる資質を持つAO入学者の意欲を評価している。高い意欲を持って地域社会に出て学べば、どんな大学の学生とも対等に議論を交わす力を身に付けられる。本学では、県内の多くの高校と連携する中で、地域で役立つ人材育成という教育理念の浸透を図っている。それに対する共感が、AO入試を受験するきっかけになっているのではないか」と説明する。
AO入試では、目的意識を重視する。学業と課外活動における目標と、実現のためのプランを記述した「プランニング・シート」を出願時に提出させている。
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